マイナーズランプの中でも結構変態レベルの高いこのランプ!
見た目がかなり迫力あるランプのひとつとなっています。
ボンネットの大きさや真鍮とのバランスが凄く洗練されているデザインとなっています。
以前にW.E Tealeをご紹介しましたが、今回はPatterson(パターソン)から出されたランプになります。かなり昔のランプなので非常に資料なども少なくほとんど分からない状態ではありますが、探せる限りの情報でレビューしていきたいと思います。
特にこのランプはマイナーズランプの中でも面白い作りをしているところがあるランプとなっているのでその点も触れていきたいと思います!
Patterson & Co.
Patterson(パターソン)ランプはイギリスにあるニューカッスル・アポン・タインという工業地帯に会社はありました!
もともとタイン川という川沿いにある地域で工業地帯として栄えた場所でした。
もちろん炭坑もある地域となります。
また世界最大の造船所でもあり、当時では世界の1/4の船舶がこの地で作られていたようです!
【Patterson&Co】
設立 | 1885年 |
場所 | イングランド ニューカッスル |
商品 | 鉱山用の安全ランプ・真鍮製鋳物など |
Patterson type HCP Bee hive
今回はPattersonが作ったランプのご紹介です。
Pattersonのランプはこの他にもたくさんのランプが作られています!
その中でも特に目立つフォルムをしているのがこの「type HCP」になります。
このHCPとは「High Candle Power」の略称となっていて、どういった意味なのかというと一般的なマイナーズランプの光よりも光量の高いランプとなっているということです!
今では当時とは比べ物にならないぐらい燃料の質が向上しているのでパラフィンオイルでは特に変化はないように感じます。
もしかするともっと炭坑現場のようにガスが充満していたりとかなり酸素も薄いような悪い状況化になるとその明るさの違いがでるのかもしれません!
そして次にこのランプがHCPである証明をするためのプレートについてです!
こちらのランプはボンネットにプレートは取り付けられていませんが、その代わりタンク部分にプレートが付いています。
また№237という刻印とパテントの登録番号も彫られています!
当時はランタンにパテント(特許)の番号を刻印するのが一般的ではありましたね!
サイズはかなりの重量級!
またこのランプはとにかくデカくて重い!!
一般的なマイナーズランプよりも頭一つ分ぐらい大きくなっています!
サイズ | 高さ:31cm 直径:9.7cm |
重量 | 2.25kg |
このランプはボンネットもかなり大きいもあるのですが、それ以外にも全体的にどっしりした本体となっています。
また高さも他のマイナーズランプと比較してみてもかなり大きいのが分かります!
これだけ大きいので持ち運びにも不便さが出てきます。
当時の人たちはこれを持って炭坑に行っていたと考えるとかなり大変な作業ですよね!
「Bee Hive」と呼ばれる珍しいランプ!
このランプ実は別名というものがあります!
それが別名で「Bee Hiveランプ」とも呼ばれています!
どこのをどう見たら蜂の巣に見えるのかというとこの水平リブボンネットのところです!
この部分を通称「Bee Hive Bonnet」とも呼ばれています!
この水平の波が蜂の巣の形や模様に似ていることから「Bee Hive」と言われる所以のようです。
しかし、このBee Hiveランプは実はかなり希少で短い期間でしか作られていないとても貴重なランタンなのです!そのため生産コストが物凄く負荷がかかっていたようです。
参考
HCPのBeehiveには数種類あると言われています。HCP7・HCP8・HCP9もちろんその下のHCP1~6にもBeehiveがあった可能性が非常に高く、今回ご紹介しているのは恐らくHCP8になるものだと思われます。またこのHCP8にしても本当に短い期間だけ作られていたようです。
ガラスが二重構造になっている!
このランプには他のマイナーズランプでもハリケーンランタンでも見ることのない構造があります!
それはガラスが二重構造になっていることです!
よーく見るとわかりますかね!?
これインナーガラスとアウターガラスと言われていて中のインナーガラスは細長いチューブのような形をしているガラスが入っています!
このインナーガラスは固定されているものではなくバーナーに直接乗せるだけの構造です。
ただなぜこのガラスが二重構造になっているのか詳しいことは分かりませんが裸火を極力露出させないというのが主な理由になるのではないのかと考えています。炭坑現場ではメタンガスが充満している可能性があり一歩間違えると大事故に繋がる危険があるので様々な仕組みのひとつであることは間違いありません。
タンク内部が複雑になっている!
このタンクなかなか面白い構造をしていました!
過去に見たタンクではバーナー部分がネジ式のキャップで固定されていたのですがこれについてはそういったものは一切ありません。すべて固定された状態でタンクにバーナーがくっついています。
でもよく見るとバーナーの右下あたりに穴があるんです!
最初これは別の用途なのかなと思っていましたがこれが燃料の注ぎ口のようです。
また燃料を入れる注ぎ口にも蓋が付いていないなんとも摩訶不思議な構造!でも面白いのはまだまだここから!
なんとこの注ぎ口からパラフィンオイルを入れて使っていたのですが、なんとなくですがタンクを横に倒してみたところなんとビックリ!蓋がついていないのにも関わらずタンクを横に倒しても燃料がこぼれない構造になっているんです!
キャンプで使っていても超カッコいい!
当時としてはもちろん炭坑現場などで使われていました。
でもそういった歴史を感じながらキャンプで使っていてもかなり雰囲気良く今でも照らしてくれます!
重さも結構あるのでちょっとやそっとでは揺れたりすることもありません。
テーブルの上ではかなり安定していましたね!
ただ使っていて分かったのが、燃料タンクが本体の大きさに対して凄く小さいので10時間も経たないうちに空になってしまいます!
ひとつだけ問題を上げるとしたら、本体の重さが2kg以上あるので気軽に持っていけるようなランタンではないということぐらいです。それでも歴史を感じることができる貴重なランプであることには間違いありません。
Patterson HCP まとめ
いかがでしたでしょうか?
PattersonのHCPランプの中でもBee Hiveはとても貴重なランプのひとつです!
命がけで炭坑現場にいた人がこれを使っていたのかと思うと凄く感慨深い気持ちになります。そして今でも火を灯すことができるのも感動しますね!
今後もPattersonのランプについては少ない情報ではありますが他にもご紹介していきたいと思います。