今回はなかなか珍しいタイプのランタンをご紹介します!
それは1939年~1945年の6年もの間にあった第二次世界大戦中に作られたランタンです。
それは今までどんなランタンでもそれ専用にパーツが作られて組立られていましたが、今回のランタンは戦時中に使われていた武器などの道具がランタンのパーツとして使われたというかなり珍しいランタンなんです。
詳細についてはこれからご紹介しようかと思います!
なかなか見ることができないランタンなので是非最後まで読んでみてください♪
Fröhlich&Wolter(Frowo)
このFrowoは以前の記事でも触れたことがあるのですが、正式名称は「Frowo」ではありません。正しくは「Fröhlich & Wolter」になります!(ドイツ語)
Fröhlich&Wolterは1878年にHermann Fröhlichによって設立された会社になります。
その後「Rudolf Fröhlich」と「Erich Wolter」に引き渡された後、1926年に現在でも知られている「FROWO」と呼ばれるようになりました!
ちなみにこの動物はオオカミ!?という話もありますがこれは「犬」が正解のようです!
この時代なかなか面白いのがランタンに動物のマークを起用しているところが結構あったということです。どういった背景があるのかは不明ですが、親しまれやすいまた覚えて貰いやすいロゴであることは確かですね!
Frowo Nr.660 Gas Mask
さてさっそくFrowo Nr.660である別名ガスマスクランタンについてご紹介していきたいと思います。
でもこのFrowoの中でもNr.660ではかなり珍しいランタンのひとつです。
恐らく今までヴィンテージランタンを集めてきた僕の中でもトップ5に入るぐらい世界的にも珍しいランタンだと思います。
珍しいランタンではあるのですがなかなかご存知の方も多くはいないかと思います。
早速ですがここからはFrowo Nr.660の魅力をご紹介していきます!
サイズなどの簡単なスペックはこちらです。
【Frowo Nr.660 Gas Mask】
サイズ | 高さ:23cm 横幅:10.5cm |
年代 | 1939年~1945年 |
芯 | 2分芯 |
ガスマスクのフィルター缶が使われている!
このランタンが珍しいと言われている理由があります。
それはこのランタンがガスマスクのフィルター缶を使って作られたランタンだということです!
ただ、なぜこのフィルター缶を使ったランタンになったのか??
それにはいくつか理由があると思います。
第一次世界大戦では化学兵器が大規模に使われていたため、第二次世界大戦ではその教訓からガスマスクが大量に用意がされていました。よって全国民各自こういったガスマスクが支給されていたようです。
推測される理由とは!?
・第二次世界大戦は化学兵器があまり使われなったので余っていた。
・戦争中はとにかく物がなかったのであるものは何でも使えというところからフィルター缶が使われた。
・形状がランタンの燃料タンクには非常に合っていた。
第二次世界大戦では化学兵器を使った大規模な攻撃がなかったためフィルター缶が余っていたのではないかと思われます。なのでこれを使える素材としてランタンの燃料タンクに代用されていたというのが非常に説としては濃厚かと思います!
実際にFrowo Nr.660のタンクだけを見ると確かにガスマスクのフィルター缶そのままですね!
この放射状に線が入っているのもガスマスクのフィルター缶だったという証拠です!
今ここで気づかれた方もいるかもしれませんが、燃料タンク自体が回して取れることができるのもガスマスクのフィルター缶を代用した理由である構造だと思います!
この燃料タンクがランタン上部とくっついているところも良く見るとかなり簡易的な感じもします。
普通のヴィンテージランタンだときちんとそのランタンにあった作りやパーツで作られていますが、このNr.660だとガスマスクのフィルター缶の蓋を付けただけのようです!
こういった代用品で作られたところがこのランタンのいいところなのです!
ガスマスクランタンを使ってみた!
給油をする方法
さて実際にこのガスマスクランタンを使ってみたいと思います!
まずは燃料を注ぎますが、ガスマスクのフィルター缶だったので注ぎ口が大きくなっています。なのでじょうごがなくても注ぐことができました!
模様がやっぱりカッコいいなと思いますね!
これはガスマスクだったからゆえの恩恵です!
話が戻って給油をする方法はこれで以上となります。
着火方法
このランタンは部類で言うと形状も含めてスケーターズランタンに近いものを感じます。
スケーターズランタンの場合だと着火してから本体をかぶせるという流れになりますが、Nr.660の場合は似ていますがちょっと違うところがあります。
このようにバーナー付近にあるフックがあるのでこれを指で手前に引きます。
そうするとバーナーよりも上の部分(グローブ)だけが斜めに倒れるような仕組みになっています。
このNr.660ではバーナー部分に「FROWO」のエンボスがあります。
これで隙間から火を付けることができるんです!
これは本当に珍しいタイプです!
今まで見てきたことのある種類だと・・・
- グローブがリフトアップして火を付ける
- 本体をかぶせる前に火を付ける
- マッチライトの穴から火を付ける
凄く機能性があるというわけではありませんが、必要最低限の機能がきちんと備わっているところに魅力を感じました!
サイズは結構大きめ
サイズに関して言えば想像していたよりも結構大きいです。
近いサイズで言うとDITMARのNr.805だったので一緒に撮ってみました!
DITMARのNr.805がどのぐらいか分からない人がいるかもしれないので参考までにですがFeuerhand 176eと同じぐらいです。
この時代に急遽作られたランタンにしてはサイズもそうですが、グローブも大きいのが分かりますね!
ここから推測できるのが戦時中に作られたランタンでは明かりが外に漏れないような仕組みだったり、小型のランタンがよくみられますがFROWO Nr.660に関してはそういったところが見受けられません。
これらを鑑みると比較的戦争中ではあったが割と安全な地域で使われていた可能性があるのかなと思います。ただ物資がないのでこういったガスマスクを代用品としてランタンを作ったのでしょう!
グローブもサイズが大きいのでこれはどうやって作ったのか、はたまたこれも何かの代用品だったのか気になるところです。
どちらかと言うと軍幕向き!?
このランタンの良いところというと、ガスマスクを使っているのでかなりミリタリー感のある色やデザインになっています!
こちらのテントについての詳細はコチラです!
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実際グリップスワニーのパップテントを夏は使っているのでこれと併せて使うと最高なのではないかと思います!
確かにどのタイプのランタンよりも実際の道具が使われているのでこれの右に出るミリタリー感のあるランタンは無いかもしれませんね!
FROWO Nr.660 GASMASK まとめ
いかがでしたでしょうか?
戦時中の道具がそのまま代用として使われたランタンはなかなか見ることができません。
歴史も感じることができますし、戦時中の過酷さというのも伝わってくるランタンのひとつです。
それ以外にもミリタリー感が凄くあるランタンなので無骨なキャンプではものすごくカッコイイランタンになること間違いなしです!